MIWA Kazuhiko KOREA Project 2005
第3回 世界陶磁器ビエンナーレ 韓国
2005年4月23日?6月19日 Icheon / Gwangju / Yeoju KOREA
三輪和彦

Bowl with Light / Trans-Ceramic-Art Icheon World Ceramic Center , Icheon KOREA
 第3回世界陶磁器ビエンナーレのメイン会場、イチョンの世界陶磁器センターで行われた『Trans-Ceramic-Art』。世界各国の陶芸家、現代美術作家の陶による表現の企画展。ビエンナーレの公募展会場に隣接した会場で行われた。招待作家の一人、萩の作家、三輪和彦さんの作品を紹介します。
 三輪和彦さんの作品は「Bowl with Light(光の器)」と題されたスケールの大きな作品。直径136cm、高さ47cmの碗形の器、6点で構成されます。1点の作品の重量は、空の状態で約180kg、水の容量は、約320リットルとなっています。
 イチョン世界陶磁器センター会場の三輪和彦さんの展示スペースは、巾3m×長さ20m×天井高4mの空間で、空間の壁を黒で統一し、『光』の効果が最大限に生かされている。作品の下は、鉄板の台を制作。1m×2mの鉄板を15枚ならべ、高さ7cmのステージに作り上げ、15m×2m×高7cmの展示台により構成されています。
Bowl with Light Project 2005 / Studio Work at Hagi-City
轆轤による成形。まさにスケールを超えた造形思考による作品成立のための第一歩の行程。
釉掛けにも轆轤を使い、回転させながらコンプレッサーで釉薬を吹き付ける。
焼成前の作品
無事に焼成があがる
焼成後、水を張って保水性等をチェックする。

Trans-Ceramic-Art / Icheon World Ceramic Center , Icheon KOREA
イチョンの会場にて、搬入がはじまる。
厳重な梱包で設置を待つ作品。
この作品の重要なポイントであるスポットの調整も念入りに行われた。
真ん中の1点に、天井から20-30秒に1滴、水滴を垂らす装置を備えてあり、
水滴が落ちると波紋が広がり、美しい陰影を映し出す。
スポットライトに照らされ、光が水面からふわっと
浮かび上がるように美しく広がる。
手前から2番目のBowlには水を張らず、照明の関係で、
淡い桃色の光が広がり、幻想的な世界に引き込まれる。
 三輪和彦さんの『bowl with Light』は、会場から入り一番奥の壁面に沿って展示されている。手前側のスペースとは、出入り口付近をのぞき、壁でパーテーションのように区切られており、全体的に明るい会場から、三輪和彦さんの作品スペースに足を踏み入れると、一瞬、別世界に紛れ込んだような錯覚に陥る。
 薄暗い空間に6点のBowlに強いスポット光が照射され、淡い青色の光と、水の張っていない1点の淡いピンク色の光が静寂に漂うように広がり、神秘的な世界に引き込まれる。
 しかし単なる光の妙という視覚的な表現に留まらないのは、基幹部といえる『陶』の存在性によるもの。素材と技法の選択、土の立上げから焼成に至るまで、陶芸の王道を貫きながら築く造形は、三輪和彦さんの造形表現の根幹を成している。陶芸という表現の確からしさに支えられた光の視覚表現、そして空間構成は、彼の陶による表現領域をさらに広げ深化させ、今後の創造活動の大きなステップとなったはずだ。
Bowl with Light (上4点の撮影:斎城卓)