山口県立萩美術館・浦上記念館

山口県立萩美術館・浦上記念館 本館特別展示室(和風展示室) 茶室のしつらえ

「煉獄(れんごく)の茶室」 吉村芳生 平成21年5月2日(土)~平成22年3月22日(土)

 山口県立萩美術館・浦上記念館の和風展示室(茶室)は、
アーティストによる茶室の空間表現の場として公開されて
います。
 2009年5月からは、第13回目として山口市在住の画家、
吉村芳生(よしむら よしお)さんによる茶室のしつらえが
展示されます。

これまでの茶室・展示作家

2009 第13回目 吉村芳生  「煉獄の茶室」 絵画
2008 第12回目 金子 司  「種々(くさぐさ)」 陶芸
2007 第11回目 古伏脇 司 「風、水、根を張るべき場所」 漆芸
2006 第10回目 兼田昌尚  「且坐(さざ)ー稜線のムコウヘー」 陶芸
2005 第 9回目 橋本真之  「揺らぐ日々の中に」 鍛金
2004 第 8回目 福本潮子  「乗空の茶室一立礼の席一」 藍染
2003 第 7回目 中井川由季 「真夏の月」 陶芸
2002 第 6回目 柳井嗣雄  「境界-関係の通路として」 ファイバー
2001 第 5回目 椿 昇   「緑色的平凡」 現代美術
2000 第 4回目 三輪和彦  「黎‐REI‐」 陶芸
1999 第 3回目 内藤 廣  「Gaudiの透ける眼差し」 建築
1998 第 2回目 中川幸夫  「鏡の中の鏡の鏡」 生け花
1997 第 1回目 三輪龍作  「三輪龍作の美学 茶室のエロティシズム」 陶芸

「煉獄(れんごく)の茶室」

吉村芳生 

作品「新聞と自画像」

 私は新聞紙の第一面の上に鉛筆で毎日自画像を描いています。新聞はこの世の出来事を日々映し出す鏡です。その鏡に映る自分を描いているのです。

 人類は物をどんどん生産し、どんどん捨てていく、そして忘れていく。それが明日を迎えるための術であるから。

 私はこの「新聞と自画像」を50年後の人々に見てもらいたい。50年前はこんな時代だったのかと、きっと興味をもってもらえるだろう。

 しかし、100年後はどうだろう。何と書いてあるか判るだろうか、今の私達は100年前の新聞や書き物をすらすらと読み、理解することができるだろうか。この世は諸行無常、争(あらが)うことの出来ない運命、戻すことの出来ない時間なのです。

 私達は未知なる地球の内部と、大宇宙の狭間の薄い地表に生きている。それは人間の身体が皮膚一枚の内側と外側とに大宇宙があるように。

 私は自分の手で皮膚を撫でたり、手のひらをじっと見つめていると、この世のすべてが悟れるのではないかと錯覚するのです。

 もう一つの作品「ケシ」

 私は山口市郊外の田舎に暮らし、周辺に咲く花を色鉛筆で描いています。このケシは休耕地に植えられたもので、一面に咲くケシ畑はこの世のものとは思えません。まるで浄土のようです。永遠に生を繰り返す花の世界なのです。

 新聞と自画像は、現実の日々。花の世界は未知なる浄土。私は「この世」と「あの世」を鉛筆で描いているのです。鉛筆をカッターナイフで削り芯を尖らせていく度に、鉛筆の命が削られていき、その命が紙に塗り込まれていくのです。


吉村芳生 YOSHIMURA Yoshio

◆略歴

1950
防府市に生まれる
1971
山口芸術短期大学卒業
1979
創形美術学校卒業

◆主な受賞

1977
シェル美術賞展 佳作賞(東京セントラル美術館他)
1979
イギリス国際版画ビエンナーレ アーガス賞(イギリス・ブラッドフォード美術館)
1980
山口県展 最優秀賞(山口県立美術館)
1982
マイアミ国際版画ビエンナーレ メリット賞(フロリダ・メトロポリタン美術館)
1983
山口県芸術振興奨励賞
1984
小林和作賞
2000
雪舟グランプリますだ 特別優秀賞(益田市)
2007
山口県展大賞(山口県立美術館)

◆主なコレクション

山口県立美術館、東京都現代美術館、東広島市美術館、小郡文化資料館、益田市、山口県庁、山口県警察本部、山口県赤十字血液センター、山口県セミナーパーク、ベルギー文化省

◆主な個展

1977
藍画廊(東京)
1980
山口市民会館(山口市)
1986
徳地町山村開発センター(山口市)
1988
そごう百貨店(広島市)
1989
近鉄松下百貨店(周南市)
1990
ギャラリーラ・セーヌ(山口市)
1991
"830日の自画像"下関市立美術館(下関市)
1992
平安画廊(京都市)
1994
草花舎(益田市)
1995
大丸百貨店(下関市)
1999
ギャルリー小川(宇部市)
2001
福屋(広島市)
2002

福岡三越(福岡市)
小郡町文化資料館(山口市)

2003
''色鉛筆で描く花の世界"CS赤レンガ(山口市)
2004
画廊a (岩国市)
星ヶ岡アートヴィレッヂ(高知市)
2005
ギャラリーナカノ(山口市)
2006
ちまきや(山口市)
2007
"色鉛筆で描く花の世界"香美市美術館(高知県)
2008

"色鉛筆で描く花の世界"尾崎正章記念館(周南市)
"色鉛筆で描く花の世界"はつかいち美術ギャラリー
山口県美術展覧会特別展示"ケシと自画像を描き続けた日々"山口県立美術館(山口市)"
新聞と自画像"ガレリア'レイノ(広島市)

2009
ギャラリー川船(東京・京橋)

◆主なグループ展

1997
現代日本美術展(東京都美術館ほか)
1978

北九州絵画ビエンナーレ(北九州市立美術館)
日本国際美術展(東京都美術館ほか)

1979

ジャパンアートフェスティバル(ポーランドほか)
リュブリアナ国際版画ビエンナーレ(ユーゴスラビア)

1980

クラコウ国際版画ビエンナーレ(ポーランド)
日本国際美術展(東京都美術館)

1981

現代日本版画展(ロンドン)
世界の現代版画25年展(東京都美術館)
明日への造形"変換と差異一複製技術社会の中で"(福岡市美術館)
山口の現代美術(1)(山口県立美術館)
"イマージュ"プリンティング'81(ベルギー)
ジャパンアートフェスティバル(ロンドン)

1982

ベルギー国際版画ビエンナーレ(ボンセクール・シャトウエルミタージュ美術館)
イギリス国際版画ビエンナーレ(イギリス・ブラッドフォード美術館)

1983

ワールドプリントフォー(サンフランシスコ、ワシントンほか米国内8ヶ所で開催)
年鑑日本の版画83(講談社)でベスト5に選ばれる
ベスト5展(東京ほか)
現代のリアリズム(埼玉県立近代美術館)

1984

インターグラフィッグ84(東ベルリン)
クラコウ国際版画ビエンナーレ(ポーランド)

1985

現代のセルフポートレート展(埼玉県立近代美術館)
現代日本絵画展(インド・ニューデリー国立近代美術館)

1986

ザ・メッセージ日本現代美術83人展(横浜そごう美術館)
''今日の芸術"ブタペスト国際展(ハンガリー)

1987

現代の美術・今日の情況展一この地方で、今…一(東広島美術館)
ソウル国際版画交流展(韓国文化芸術振興院美術会館)

2001
英展(田川市美術館)
2005

中国国際アートフェアー(北京)
韓国国際アートフェアー(ソウル)

2006
中国国際アートフェアー(北京)
2007
「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展(森美術館)
2008

フィリップス・オークションにて"365日の自画像"落札(ロンドン)
ソウル国際版画・写真アートフェアー(ソウル)


◆詳しいお問い合わせ先◆ 山口県立萩美術館・浦上記念館
〒758-0074 山口県萩市平安古586-1 TEL:0838-24-2400 FAX:0838-24-2401